味の無い薬

弓 ゆみ太

プロローグ

私は薬を飲む。

今日も、明日も、明後日も。

毎日

毎日

毎日

毎日…

繰り返し

繰り返し

繰り返し

繰り返す…

そこに感情なんてものはない。

あるのは、薬となみなみに注がれた水道水と、未来への願望だけ。

残るのは、空袋と空いたグラスと飲んだという事実だけ。

 その薬には味なんてない。

良薬は口に苦しというけれど、

味のない薬には効果なんて無いのだろうか。

私はその答えも全て知っている。

それでもただ薬を飲み続ける。

毎日

毎日

毎日

毎日…

繰り返し

繰り返し

繰り返し

繰り返し。

味を感じるその日まで…


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