異世界転生はできない?
柊谷
第1話 平和な1日
男子高校生二人が会話をしている。
「我が友、
「なんだ我が友、
隆司「自作の小説を書いたんだ。読んで感想を言ってくれ」
広志「どんな内容なんだ?」
「異世界転生しない物語だ」
「……は?」
「読んで見ればわかる」
『一人の青年と天使が会話をしている。
天使「転生する場合の願い言って下さい」
青年「健康な体を下さい」
天使「わかりました。健康な体ですね」
「はい。ありがとうございます」
「いえいえ、こちらこそアンケートにご協力いただきありがとうございます」
天使は去った。
青年の魂は無事に成仏した。
完』
「…………」
「…………」
「……いや、おかしいだろ!」
「……どこが?」
「どこが?……じゃなくて転生してないじゃん!」
「いや、だから最初に転生しない物語だと」
「…………そうだった。しかし、さすがにこの短さは短編でも無理がないか?」
「……この話これ以上膨らませるのは難しいのは自覚している」
「後、この流れで普通に成仏するのは違和感があるぞ」
「うーん、そうか」
「……」
「……」
「……しかし、この天使なかなか酷いやつだな。自覚はなさそうだけど」
「アンケートだって説明してないからね……違うか説明を後回しにしたからね」
「後、良く読むと確かに転生させるとは一言も言ってないんだよな」
「天使は何も約束はしてないからね」
「……続きを思いついたぞ」
「え?」
『青年「聞くだけかよ!」
青年は思わず叫んだ。
しかし、すでに天使は去っている。
青年は天使を逆恨みした。
背後霊になってことあるごとに天使の邪魔をした。
ある日天使に見つかり消滅させられた。
完』
「……」
「……」
「……確かに続きにはなっているけど小説というよりはあらすじだよ。それは」
「ああ、自分でも苦しいとっている」
「……後、さすがに邪魔する方法を少しは書かないと……」
「……わかってはいる。ただ邪魔する方法が思いつかない。……というかこの会話はお互い精神体でやっているのか?それとも肉体がある状態でやっているのか?それが不明だったので詳しく書けずあらすじになった」
「ああ、なるほど」
「で、お前その小説どうする?」
「んー。多分お蔵入り。」
「なぜだ?」
「最初の案じゃ短いし、さっきのアイデアで書くとバトルシーンだけになる」
「……?、邪魔するのだから妨害シーンであってバトルシーンではないんじゃ?」
「ああ、そういう考えもあるのか。ただ、どちらにしても同じようなシーンが延々と続くパターンになりそう。少なくともワンパターンを回避する方法が見つかるまでお蔵入りになる」
「そんなものか」
「よし、カラオケに行こう」
「なんでだよ!」
「行きたくなったからだけど?」
「唐突すぎるわ!」
「行きたくないの?」
「誰もそんなこと言ってないだろう!」
「小説のアイデアを考えるのは飽きた」
「飽きるの早いな!」
「だからカラオケに行く」
「わかった。わかった。カラオケだな」
こうして何事もなく平和な1日が終わった。
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