水の都アリシア
水の都アリシアの検問部分まで来てやったぞーー! あれから特に魔物に遭遇しなかったのは幸運だった!
「検問と言っても魔物が入ってこない用に立ててある形上のものだから、自称王女を背負っている絵面も特に問題はないはずだ!」
多分......いやそうであってほしい。もう疲れるところ作りたくないんだ。
幸いひと騒動起きることはなく、水の都アリシアにつくことができた。もう夕方で本格的に活動することになるのは明日になりそうだが。
宿の手配も済ませて、よつばを除いた2人のミーティングを軽く行う。
「長く滞在して3日滞在する予定。そしたらこの国を出て僕の故郷『モリヤミ』に行く。今から向かう先は正式な国がない無法地帯だけどそれでいい? いいなら明日よつばちゃんにも伝えとくけど」
「もちろんだ。あそこって確か冒険者の街とかあるし」
正直な話、俺もいろいろあって長居はしたくなかったのだ。ついでに新たな旅の道案内役ができたのが好材料。
すると、マールさんが興味深いことをいいはじめる。
「そういえば、宿のおじさんが言ってたんだけど、近日中に『エリック•リート』という勇者が滞在してくるらしいよ」
エリック......エリートか。ウーン、なんだかんだいい奴だけどアイツとはあんまり話したくないんだよな~。まあ出会った時に挨拶だけ交わすだけでいいかな。
「よつばと同じ部屋でつくづくすまない。ではまた明日な」
「任せといて。おやすみなさい」
よつばはマールさんに預け、俺も疲れた身体を癒すため寝る。なんか今日は刺激がすごい日だったな。モリヤミって行ったことがないけど、どんな所なんだろう。
◇
「私は一晩の時を得て、無事復活しましたわ!」
「よつばさんはすごい人だったんですね! まさか薬学にも精通してるとは! あのオークから食らった傷も体感治りが早い気がします!」
おう、なんにせよ。昨日の気分が今日に引き継がれなくて一安心だ。
ちなみにマールが薬学の話を話すとよつばは嬉しいような、悲しいような、複雑な表情を浮かべていた。多分、王族と認識してくれなかったんだな。残念でもないし当然。
「それで今日はあの占いおばあさんのところに行くんですよね? 確か僕達の潜在能力がわかるらしいけど、胡散臭くないですか?」
マールの言う通り。そもそもの話、俺にとって占いとは占い師と歌って金をむしり取る詐欺師集団のイメージしかない。
「父上と兄上が占い好きだからね。なんなら能力だけ測るんだったらギルドでもいいと聞きますし......けど、一応国公認ですの。それに私達の実力を第三者の眼で見てくれるらしいですの。最後に私達は無償でやってくれるらしいですわ。だから大丈夫......だと思います」
最後自信無さげで言うのやめてくれ。てかなんだろう。出かける前なのにすんごい不安が襲ってきてるのはなんでだろう。
◇
うわぁ......本当に国公認なんか? 見るからに廃墟の屋敷やん。本当にあの占い師のことを援助してるんかこの国は?
「占い師に行く前に冒険者ガードを見せてください」
ああ、はいはいここで使うんですね。あのガバガバ検問の時だす必要なかったけど、ついにこれを出す場面が出てきたか。
一応、あの代理王が根回ししてくれて俺の本人証明ができたら無償でやってくれるって流れなんだな。
「はい。盾使いの称号が書かれている立派な俺の冒険者カードだよ~」
「あれぇ......? 冒険者、冒険......私は」
「はい。一応冒険者登録再発行しておいてよかったです」
「よつばは出さないのか?」
よつばは身体をブルブル震わせながらながらボソボソッと何かを言おうとしている。何かあったのだろうか?
「お、おい。き、聞こえないよぉ」
「あの、冒険者ガードってなんですの~!?」
「えっ!?」
◇◇◇◇◇◇
次回に続く
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