四月十六日

 突然大きな電子音が鳴り、私は辺りを見回した。

「今の何の音?」

「電子レンジの泣き声だよ」

 灰色のネズミが教えてくれる。

「え、泣き声って。何かあったの?」

「カレーを温めて欲しいって」

「泣くほど?」

 灰色のネズミは重々しくうなずいた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る