三月十一日
「あの種、どうしたんだっけ?」
私の疑問に灰色のネズミは「僕は知らないけれど」と首を振る。
ちょうど彼と会わなかった間のことだ。
「誰かにあげたんだと思うけれど」
元々もらったものだった。
「ここじゃ育てられないから」
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