一月十三日

「どうしたの?」

 シャーペンを持ってうろうろする私を、灰色のネズミが捕まえた。

「来年のことを考えてた」

「来年? もう?」

「早めに心配しきっておけばあとはあきらめるか開き直るだけかと思って」

「君はそういうところ、相変わらずだよね」

 彼はため息を吐いて、カーテンを開けてくれた。

 太陽の角度のせいか、窓の外はやけに明るかった。


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