一月五日
遥か遠くの踏切の音でドアが揺れる。
冷蔵庫の中で成長するトマトを片手に、ひび割れた石畳の上を歩く想像をする。
「苔は?」
「もちろん」
私が大きくうなずくと、灰色のネズミは「それならいいよ」と許してくれた。
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