一月

一月一日

「アーモンドチョコはやめたの?」

 小さな窓から日の出を見ながら、灰色のネズミが聞く。

「やめたつもりはないんだけど、そういえばしばらく食べてないね」

 ふうん、と返すだけの彼に今度は私が尋ねる。

「変わったと思う?」

「すごく変わったところもあるし変わってないところもある」

「すごく変わったところ?」

 自分では全く心当たりがない。

「気づいてないの?」

 灰色のネズミは私を見つめて何度か瞬きした。

「だったら、わからないままでいいんじゃない?」

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