第96話吉村の入学準備
祐介と吉村は中学校までやって来た。夜でも人の出入りがある。賑やかだ。案内を見て先ずは教科書の購入に向かった。順番に並んで購入していく。出費であったが吉村には新鮮だった。教科書を詩織から借りたトートバッグに入れていく。
「いよいよ入学するという実感が湧いてきました」
吉村は祐介にそう言った。
体操着、上履き、体育館シューズと買い求め、結構な出費となった。何とか塾の収入で
「いよいよここが学び
「吉村さんなら割と直ぐに勉強に慣れそうですが」
帰路、吉村と祐介は現代の教育制度について語り合った。現代では中学校までは義務教育で国家が教育を支えている事、豊富な学科がある高校、大学。吉村にとっては興味深い内容だった。帰宅して居室で教科書を広げ、内容を確認した。びっしりと細かい文字でページが埋まっている。詩織の居る居間に吉村がやって来た。
「このびっしりと細かい文字で書かれた書籍で勉強するのですか」
「はい、そうです。最初は戸惑うかもしれませんが慣れれば大丈夫ですよ」
現代の教育は吉村が居た時代とは全く違うものだと確信した。これからはこの学問について深く勉強しなければならない。正座して教科書を読んでいると永倉が話しかけてきた。
「いよいよ吉村君も中学生だな」
「これからを思うと気が遠くなりそうです」
祐介の言う通り、西洋の教育の影響を強く受けた現代日本の学問は世界でも優れた部類に入ると言う。国語、数学、理科、社会、英語、保健、体育。覚える事は沢山あるがそれ以上に吉村の勉強に対する興味は尽きる事が無かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます