12話 太古の調べ
「腹空かして、お香(お漬物)とお酒だけちびちびして、そこから食べるうなぎが美味しい」
池波正太郎の言葉を私なりに要約してみた。(ものすごく雑)
さて、昨日。
私は明日のうなぎを買いに夜のスーパーへと向かった。
流石、閉店三十分前。
色々なものがお値打ち価格。
それでもうなぎは高かった……
なお、スーパーもそれを見越してか店内アナウンスで「土用の丑の日は別にうなぎではなく牛でもいい」と何故か牛肉を猛アピールしていた。
翌日。
つまり、今日。
私はガス屋さんを家に招くので家の掃除をしてご飯を炊き、うなぎをレンチンした。
朝食は抜いた。
感想。
「今年は意外に食えたなぁ」
と、ちょっとここでうなぎのかば焼きの歴史を紐解きたい。
元々、うなぎはあまり人気のない魚だった。
料理するにしても胴体をまっ二つにして串に刺して焼くという。
実際、実食した人のレポートを見たことがある。
見た目はほぼコンビニなどで売っているフランクフルトっぽい。
そして、当然、蒸して脂を落としていないから脂ギッシュ。
先ほど出た池波正太郎の代表作「剣客商売」でも主人公の小兵衛さんが「無理」というぐらいなのだから、その脂の凄さが分かると言うもの。
なお、うなぎの旬は夏ではなく、実は真逆の冬なのだそうだ。
もっとも、我々が口にする養殖に春夏秋冬のあるわけないけど……
一昔前にうなぎの完全養殖を目指す研究レポートを見たことがある。
なかなか、興味深いものだった。
そもそも、うなぎの産卵場所は日本から離れた赤道近くの深海で卵を産むこと。
日本の養殖ウナギは遡上してくるうなぎの稚魚を買い取って(まあ、昨今はここに某国家などの不正な密輸があるのですが今回はパス)育てていること。
うなぎはかなりデリケートな生き物(特に稚魚)で何かにぶつかったり光の加減でも死ぬ。
ある研究者がこんなことを言って笑わせた。
「え? ここ(研究所)のうなぎを食べたいんですか? あー、天然物を買ったほうが格安ですよ」
――今度は一人でうなぎ屋さんに行こうかなぁ。
そんなことを思った。
あれを持って……
(さて、何でしょう? ヒントは池波作品、うなぎ、エッセー)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます