7話-3 塔に上る その三 それは「天下一品」!

 まずは私個人の話から。

 二年ほど前に私の好きな映画にてこんなセリフがあった。

「俺の腕は天下一品」

 ラーメンチェーンの名前が出され少し萎えた。

(協賛しているのを知っていたから)


 さて、今回は『濃い』ラーメンで有名な天下一品だ。

 その濃さは一円玉が浮くほどだとか……

 さらに、その上に『超コテ』というものがある知った。

(ただし、裏メニュー扱いなので店舗によって変わる)


 そんな『天下一品』が私がよく使う本屋さんの近くにできた。


 まずは本屋で本や文具類を見る。

 めぼしいものがなかったが、コロナ禍の現在を象徴するように漫画本がパウチされていた。

 立ち読みをして菌の拡大を防ぐためだろうか、本当に驚愕。

(でも、その割に文庫本はそのまんまなんだよなぁ)

 その帰り道のラーメン屋。

 それが、天下一品。


 店に入る前に近くのコンビニに立ち寄り某脂と糖に効くお茶を飲む。


 天下一品に行く。

 乗っていた自動車を駐車場に止めて店に入る。

「いらっしゃいませー」

 コロナ禍の今。

 二人掛けの席は一人用になっていた。

 そこに座る。

 お客さんは、普通に入っていた。

「お決まりでしたらどうぞ」

 店員さんが水の入ったコップをもってやって来た。

 それが置かれると私は早速注文した。

「こってりで明太子ごはん。チャーシューとメンマ、煮卵を付けてください」

「はい、わかりました」

 店員さんが去って行く。

 初めて来たとき、緊張しながら「超コテ、ありますか?」と聞いて店員さんがすごくあっけらかんと「ないです、うち」と言われて物凄く恥ずかしかったのはいい思い出。

 乾いた笑顔しかなかった。


「おまちどうさまでした」

 注文した品が出てきた。

 スープを啜る。

 一円玉が浮くか分からないが、思ったよりあっさりしている。

 

 読者の中には「何でラーメンに明太子ごはん?」と思う人もいるだろう。

 私も最初に思った。

 だが、ネットをしていて天下一品ファンの『天一(天下一品)には明太子ごはんが合う』という記述を見て試してみた。

 どう合うかを説明するのはいささか難しいが、明太子ごはんのしょっぱさがラーメン(正確には脂)の甘さを補完してくれる……かなぁ?


 また、結構なトッピングをしたことに驚いた人もいるだろうが、ラーメン単品だと結構物足りない。

 シンプル、といえばそうだけど……

 なお、友人は「トッピングなしでも十分」な人。


 そんなこんなで汁まで啜って完食。

『明日もお待ちしております』の文字が見える。

(まあ、私は月一ペースですけど)


 勘定を支払い、車に戻る。


 今、自宅で天下一品のホームページを見ているが来年が創業五十周年だそうだ。

 コロナ禍の現在。

 色々大変みたいだが、また、行ってみたい。



 まあ、この手のラーメンって好き嫌い分かれるのでご容赦ください。

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