第46話  二次試験

 フォルクスはべソンとリズに

 肩を貸して貰いなんとか馬車に入って行っまた。魔法学校に着いてから馬車を降りる時も当たり前だが肩を貸して貰っていた。


 2次試験の魔石の買い取りの会場は、魔法学園の建物の中にあるホールの一角だった。


 魔法の練習場とは別に舞踏会が開催できるようなホールがあり、そこに臨時にテーブルが持ち込まれ、ギルドの受付カウンターが出来上がっていた。また、多くの職員や学校関係者が不正を監視するような監視員や、手伝いの人員が揃っている感じであった。



 また受験者達の席も設けられとおり、札が立てて有った。各グループ毎に座るようになっていて、テーブルとテーブルの間はそれなりに離れてはいた。フォルクスは早々に椅子に座り開始時間まで休んでいる事にしていた。


 暫くると時間になったようで、講師の1人が2次試験の魔石買取についてルールの説明を始めた。


 魔石の買取をギルドと執り行った証書を売買するのは自由だと。但し売買の時には証書に誰が誰に対して売ったかという事の文言を、ギルド側で書き換え書いて貰わなければならない。また譲渡された証書を第三者に売る場合、最初の持ち主の許可が必要である。これは強引に奪われたりした時にその証書はあくまでも最初の所有者から売られた物の権利だとする為である。どこからともなくチッというような声が聞こえては来た。


 また、それは転売を認めるか否かの権利は最初の所有者が持っている事を意味する。


 最初の持ち主のが Aが Bに売ったとする。BがCに売る場合はAの許可がいる。Aの許可がないままCが自分の物だと主張してもBの物として扱われると言う。これは権利の買取等は慎重に行う為事だとの事だ。


 合格するかしないのかは別として、最終的に提出された権利書の金額で順位を付ける。


 最低でも一つの証書を売らなければならない。自分のチームが元々持っている引換証を使わなければならない決まりはない。証書の額面の合計金額がチームの成績に成る。1枚でも6枚でも変わらない。


 魔石の買い取りはギルドのルールに則って行われるものとする。それは以前説明した通りであると話をしていた。


 また、今は丁度18時になった所で、魔石の買取査定は23時の時点で並んでいる者とする。それ以降は受け付けないという事だと言われた。ただ、皆狼狽たえていた。何故そんな時間までやるのかと。


 また各グループに一人試験管が付いており、不正をしていないかどうかの確認をすると言う。


 魔石の売買も自由だという。但し試験官に売買の記録をつけて貰う。そうして各グループ毎にまずは分かれ、本日持ってきた魔石を用意された机の上に並べておく。試験官が魔石の数などを記録して行った


 全てのグループの魔石のチェックが終わった事を確認し、


「それでは只今より2次試験本試験の開始となります。各グループはギルドの引換証を少なくとも1つはグループの成績分として提出して下さい。1つも提出できなかったグループは本試験不合格となります。またギルド職員への暴行や暴言も警告2度目は即時失格となります。それではスタート」


 そういうのでまずはカーラに適当に持たせたというか、オーク10匹分の魔石を交換させに並ばせた。他のグループもさあどうしよう?と魔石の分配で揉めているグループもあったりする。だが基本的に各自が持ってきた物を各自で引き換え、換金すれば良いだろうというような話にまとまりつつ有ったようだ。カーラが引き換えを終わり証書を持って帰ってきた時に誰かが叫び始めた。そう一番最初に並んだグループから


「何でだよ!何で買い取ってくれないんだよ」


「ですからギルドの決まりで、ギルドが魔石を買い取るのは冒険者からのみなのです。しかも魔石を売れる方は証書を持っている当人のみと聞いております。確かに貴方の名前と引換証書の名前は合いますが、ギルドの登録が有るという証明がなさななければ買取はできません」


「じゃあどうしろって言うんだよ?」


「同じグループの方にて誰か一人でも冒険者がいればそれで問題ないのではないでしょう。詳しくは試験官の方にお尋ねください」


「なんだよ!ちくしょう!」


 そうやって意気揚々と来ていた者が自分達のテーブルに戻り、所謂阿鼻叫喚状態になっていた。


「まじかよ誰もいねえのかよ?」


 というようなグループもいれば


「一人いたよ!ラッキーだねえ」


 というような声も有ったりする。冒険者がチームの中に2人いる者もいたが、殆どのチームには冒険者が一人もいなかった。


 フォルクスがフォルクス以外の者に適当な額の魔石を渡し、引換証に変えてきて貰っていた。そう、ここからが勝負の始まりである。というか、巻き上げる攻撃ターンの始まりである。


 フォルクスは早々に皆の魔石を交換し交換済みの証書に変えていたのは、他のチームから魔石を代わりに変換してくれと言われるのを防ぐ為だった。


「その証書を売ってくれ」


 冒険者が一人しかいないグループに頼み込む者もいたが、


「無理だよ。俺達の所も冒険者登録しているのは一人しかいないんだ。他をあたってくれ」


「使えねえ奴め!」


 というような会話があったり、


「どうするんだーよ?」


「どうすれば良いのよ?」


 と叫ぶ者もいたりする。

 中には冒険者二人の所に早々に目を付けていて、交渉成立

 している所もあったりする。


 しかし冒険者の数が圧倒的に少ない事が分かった。フォルクスは驚いた。あまりにも少ないからだ。またよくよく見ると皆服装が上品であり、上等な物を着てい達が多い。


 フォルクスがシーラに質問した


「なあシーラー。ここは金持ちが多いのか?」


「あんた何言ってるのよ!当たり前に決まってるでしょ。殆どが貴族とか商人等のお金を持っている者達位しか普通は来ないのよ。私達みたいに村から半ば強制的に送り出された者というのは例外的なのよ」


「そうか」


 ふとフォルクスがまだ頭の回転が鈍っているなあと思いつつ、その意味を理解するのに暫く時間が掛かった。そして兼てからの計画を発動する。


 フォルクスは目立つように皆に叫びだした。


「おい!注目たま。俺達のチームの全員が冒険者登録をしている。実際に活動もしている。言わんとする意味が分かるよな?」


 そうするとフォルクス達のチームの所に我先にと色々な者が集まり始めた。


 そして当たり前の如く喧嘩が始まる。俺達の方が先だよ!何言ってんのあたい達の方が先よ!や、私達のが先だよ!等と順番を巡って争いが始まっていたりする。


「おい、お前たちの持っている奴を俺達が買ってやる。お前たちの安い魔石の証書を俺達が買ってやるからありがたく思え。どうせ大した金額じゃないんだろう?金貨100枚出してやるからその証書をよこせ」


 フォルクススは溜息息つく付く。


「馬鹿か?お前大丈夫か?何言ってんだ?そんなに安い訳けないだろう!」


 そいつはフォルクスより頭一つ分低い。対峙して思うのは、成程シーラよりは魔力が遥かに高く、威勢がいいだけの事はあるんだろうなとは思うが、ふと見るとおどおどして中々フォルクス達のも所に来れない者達がいた。ラティスナは気付いたが、その者達の中に首輪を着けている者がいた。フォルクスはハットなり首輪を嵌めている者達がいるチームに行く。首輪を嵌めた女性は驚いていた。フォルクスが目の前に来たからだ。


 フォルクスはその女性に質問する


「君は初夜権をどうやら買われているようだが、ひょっとしてこの中に権利を握っている者がいるのか?」


 そう言うとフォルクスはその女の子が指を指す方を見て怒りを覚えた。いたかにも金持ちのボンボン風の奴らだ。そいつらを見た体フォルクスは怒りを覚え、声を出した後


「初夜権をを買われている奴はいるか?いたら教えてくれ。助けてやる」


 そう言うと驚いた事に8人も出てきたのだ。その者達全員分の権利を持っている者が、既にフォルクスの所に権利を買い求めに集ってきた奴らだと分かった。


 フォルクスはそいつらを呼びつけた。


「おいお前達、合格したいか?」


「証書を売ってくれるのか

 ?ありがてぇな。えへへ」


 と下卑た笑いを言っているも者がいるのは男4人のチームのだったが、そこの女の子は可愛そうに2人共首輪を嵌めていたのだった。

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