東京新聞歌壇 東直子先生没作品①

紗里菜

短歌没作品の墓場

①地表にて寝ぼけまなこの三日月の橙色の親しみやすさ


②ぶたさんの貯金箱にはからころと不安と埃と1円の音


③肩たたきのリズムで雨がトタン屋根にぶっかり跳ねては地面に落ちる


④昼飯の選択をして死んだのち水へと還る山脈を学ぶ


⑤富士山が見えちゃうような冬の日はうっかり好きとか言っちゃいそうで

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