#452
会場が大混乱している中――。
白髪の少年が人混みをかき分け、逃げる者らとは反対にサーベイランスのところへ向かっていた。
「あれがノピア·ラッシクか。機械化なしでもあの強さかよ……」
白髪の少年の名はブレイク·ベルサウンド。
ハザードクラス――
ブレイクはミックスらと同じくベクターが開いた公開会議に来ていた。
そして、この騒ぎである。
しかし、今戦っているノピアを始め、会場にいる特殊能力者たちがそうなように――。
今の彼は特殊能力者の力を妨害する装置ダイナコンプの影響で神具の加護――
「ちょっとブレイク!? あんたどこへ行く気なんだよ!?」
サーベイランスとノピアが戦っている場所へ向かっていくブレイクを、彼と同じ組織――暗部組織ビザールのメンバーだったリーディンが声をかける。
ブレイクは振り返ることなく返事をする。
「そういうお前も逃げてねぇじゃねぇかよ」
「ワタシは彼を――ライティングたちを手伝ったらさっさと逃げる。それに、今のワタシじゃ役に立てない。それはあんたも一緒でしょ!?」
リーディンは神具である経典アイテルから啓示により、
当然ブレイクがそうなように、身体能力も並の人間よりも向上しているが、ダイナコンプの影響で普通の人間と同じ状態にされてしまっている。
「ここで引けるか。ナメられたまんまでよ」
「バカッ! ここはあの将軍の言う通りにして……ッ!?」
二人が話していると機械人形が襲い掛かってきた。
だが、ブレイクは腰に帯びていた小さな棒を一振りすると刃が現れた。
そして、その特殊警棒のように刃が伸びた両刃の剣で襲ってきた機械人形を斬り倒す。
「リーディン、テメェは元彼のとこでいってろよ」
「元彼じゃねぇーしッ! 今でもぜんぜん彼だしッ!」
「そうかい。じゃあ、後で合流だ。テメェが言ってることが本当かどうか確かめてやる」
「あんたねぇ……。まあ信用しなくてもいいけど……死なないでよ、ブレイク」
その言葉にクスっと笑ったリーディンは、その場を去っていった。
ブレイクはリーディンを追いかけようとした機械人形をぶった切っていく。
そして、剣を肩に乗せるとその口角を上げた。
「ノピア·ラッシク……。おふくろと並んだヴィンテージがどんなもんか、この目に見させてもらうぜ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます