#425
――メイカが
ハザードクラスの一人である
彼はメイカを
メイカに伝え忘れていたことが思い出し、里へと戻った。
そこには焼け野原となった
里で生存者を捜しながら、一体何が起きたんだと慌てたロウルはすぐにメイカのエレクトロンフォンに連絡をしたが、彼女からの反応はない。
心配になった彼はそのエレクトロンフォンの追跡機能を利用し、メイカの持つエレクトロンフォンの電波を辿っていたのだった。
(マスター·クオは別れる前に妙なことを言っていた……。まさかあの人は、こうなることを知っていたのかよ!?)
雲を突き付けながら、
「ロウル殿。もし、この里……
「縁起でもないこと言わないでくださいよ、マスター·クオ。一体誰が武道家だらけのこの里を襲うんですか? それこそ並みの軍隊じゃこの
「いや、ロウル殿。何も聞かずにどうかこの老体の願いを聞いてほしい。何卒、何卒メイカのことを……」
――あのときのマスター·クオはいつになく感情的になっていた。
それは、彼と長い付き合いのあったロウルにとって初めてのことだった。
クオは、それほどあの生意気な掟を破った娘――メイカ·オパールのことを大事に思っているのだろう。
ロウルは彼に言われる前からメイカのことは気にかけていた。
それは、ラヴヘイトに頼まれたというのもあったが。
実際に会ってメイカの人柄を知ったからだ。
ハザードクラス――
「……安心してくれよ、マスター·クオ。俺はああいう不器用な奴は大好きなんだ。できる限りのことはする……。それに、困ってる奴ってはどうも放っておけねぇもんなぁ」
同情でもなく、優しさからでもなく、ただ目の前に困っている人間がいたら手を差し伸べずにはいられない男だった。
メイカのエレクトロンフォンの位置にどんなことが待ってようが。
そして、彼女に関わったことで自分がどんな酷い目に遭おうが。
ロウル·リンギングに後悔はない。
「急げよ
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