4日目

帰宅。

ちびれた石鹸で手を洗う。

泡立ちが悪く、軽い苛立ちを覚えるが仕様がない。

何故なら新しい石鹸を使わないのは僕自身の選択だからだ。


本日は「価格を検討 ノンキホーテ」で購入した税込118円の菓子パンで命を繋ぐ。


そしていつもの、取り留めのない妄想を開始する。

まず警察庁警備局からメールが届く。それは現代の赤紙、召集令状だ。

近未来の日本の治安は非常に悪く、我々には官憲としての任務が与えられた。

そしてズールー族のンガワディと共に、いつも通りに短槍片手に不貞の輩へ鉄槌を下すのだ。



そう考えているうちに睡魔が意識を後ろに、後ろへ引っ張ってくる。

僕は咀嚼により、それに抗うことを図る。


キャベツを袋の中でドレッシングと馴染ませながら現実逃避することの空虚さを感じ、それでも尚日々の暮らしが変わることはない。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る