見上げた空は青かった

見上げた空は青かった

著・佐藤大翔

https://kakuyomu.jp/works/1177354054894902247 

 

 先輩の走り幅跳びに憧れて陸上部に入部した村澤和紗と、卒業する越智先輩と全助走対決をする物語 

 

 爽やかな青春もの。

 ありふれているのかもしれないけれど、スポーツものが苦手とする私としては、いい話だと思う。

 算用数字と漢数字の使い分けや一文が長すぎるので句読点で短くする等々は、とりあえず脇においておく。

 現在、過去、未来とする話の流れは一つの型なので悪くない。ないのだけれど、読みやすさからすると、冒頭を割愛して、「和紗、部活決めた?」からの回想から入るほうがいいかもしれない。

「かーずーさーちゃん、センパイと一緒に全助走対決しなーい?」の先輩の台詞のあとに、

 にしし、と八重歯をみせて越智が話しかけてきた。

 もちろんです、と答えたものの嫌な予感しかしない。

「……今日は、何本ですか?」

「決まってるじゃん」

 開いた右手を、私の顔の前に突き出してくる。

「……五本勝負ですか」

 という動作をつけたら、先輩後輩の関係性がわかりやすくなるんじゃないのかしらんと、少し無粋なことを思った。

 陸上をしたことがない私のような人が読んでも情景が浮かぶような描写を心がけると、よりお話の世界に入り込める。見慣れた光景の人なら、情景が目に浮かぶのかもしれない。

 走り幅跳びの女子日本記録は六メートル八十六センチ。高校女子なら六メートル四十四センチ。中学女子は六メートル二十センチ。世界なら、男子は八メートル九十五センチ。女子は七メートル五十二センチと桁が違う。

 十メートル飛べば世界記録は間違いないだろう。四メートル台の彼女たちはまず五メートルを跳びたいに違いない。

 主人公の村瀬は、私が勝てるまで、ずっと越智先輩と跳び続けたかったと叫ぶ。先輩との出会いや過ごした時間など前半で書いておくと、ラストが生きてくる。あまり入り込めなかった。

 会話と会話のあいだに、『悔しさよりも、貴女が居ない砂場に向かって独りで跳ぶことが寂しいんです』ですます調の文章が入ってくる。  

 内面の気持ちだろうか。前後のセリフと絡めて、喋らせてもいい気がする。

 推敲や手直しすれば、充分よくなる気がした。

 青春スポーツものを書きたいものです。

  

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る