白い兎の行く先は4

それからというもの、御影と要舞は一緒に行動するようになった。

ご飯や教室移動、学校の行き来だって一緒だ。

ある日のことだった。

季節は夏。ミーンミーンと蝉がうるさいくらいに鳴いている。

うざったらしいなと要舞は顔を顰めた。

頬からつぅ、と汗が滴れ落ちる。

それは、御影と一緒に昼ごはんを食ようとしてる時のこと。

急に突拍子でも無い言葉が御影の口から発せられた。

「なぁ、いっちゃん。魔法少女って信じる?」

御影が要舞に渡すおにぎりを握りしめながらとても真剣な顔付きで聞く。

「ま、魔法少女……?」

聞きなれない言葉に思わず要舞は顔を顰めた。

大丈夫かなと心の中で呟く。

そんな要舞を気にもとめず御影が喋り続けた。

「そー、魔法少女。いっちゃんは興味あんのかなーって思ってさ」

どう?と迫真に迫るように御影はずい、と顔を要舞へと近づけて問いかける。そして、要舞の手の上に購買で買ったおにぎりを置いた。

「い、いや、そこじゃなくない?……そもそも迷信でしょ」

若干引きつつ、後ろへと下がる。手の上に載せられたおにぎりの袋をぺりぺりと剥がした。

そんな呆れたような要舞の姿に御影が目をかっ開いた。

「いやいや、いるって、いるって、興味があるんだったら見せてやんよ」

見てろよ、いっちゃんと御影が購買で買った弁当を袋から取り出した。弁当に付いてた箸を咥える。そして要舞に指を指す。

「見せてやるって……どうやって…?」

やっぱり、御影の頭が大丈夫かと心配になる。

思わず首を傾げた。

「ふふん、御影ちゃんの手に掛かればイチコロなのです☆だって、御影ちゃんも魔法少女だもんね!」

ピースした手を目元に当ててウィンクした。

ふふんと得意げに胸を張った。

何を言ってるんだと思わず顔を顰める。

とうとう夏の暑さで頭がイカれたなコイツ…

御影が要舞の肩をぽんぽん、と叩く。

「まあまあ、ひとまず見てから決めてみな!」

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