二十七章 秘密のドーリーちゃん

標の変身アイテムがサラサラと消えてはや二日。

その後、標を心配して追いかけてきたゆうきや之彦には、変身アイテムがなくなった事は言えなかった。

もしかしたらもう標は魔法少女じゃないのかもしれない。

標を不安感が襲う。


もし、魔法少女じゃなくなったら?

もし、それがバレてしまったら?

もう、二人とは一緒に居れないんじゃないだろうか。


二人はそんなことで引くような人ではないけれど、それでも心配になってしまう。

そんな思いが標の中で駆け巡る。

ふと、標が呟いた。

「そうだ、温室に行こう」

そして席から立てば標はすぐさま温室へと向かうべく教室から飛び出した。

後ろから之彦の声が聞こえた気がするが、今はそれどころじゃなかった。

メリルに、啓示者に会いに行くために標は全力疾走で温室へと向かうのだ。


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