『きみのいない世界で、僕は生きていく。』

pocket12 / ポケット12

序章 きみのいた世界

第1話 単純で、当たり前で、最低な結末

 結局のところ、僕は信じていたんだ。


 物事ものごとの結末には必ずハッピーエンドが用意されていて、どんなに悲劇的なことが起こっても、そのたびに奇跡が起こって、最後にはみんなが幸せになる。


 そんな世界の優しさを、僕は最後までずっと信じていた。


 どうしてだろう。


 どうして僕は、彼女が戦い、傷ついてきた世界を、優しい世界だなんて思っていたんだろう。


 まったくあきれた勘違いだった。


 だから僕は彼女を失った。


 それはあまりにも単純で、あまりにも当たり前で、あまりにも最低な結末だった。

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