きみのアイドルになりたい

胸が熱い、熱い熱いよ、きみに伝えなきゃ、破裂しちゃいそう

きみが好き、好き好きだよ、きみに伝えたい、ずっと見てたよって

それは遠い、遠い遠いよ、きみが見ている、その世界は遠い

輝いてる、輝いてるよ、きみが見ている、アイドルたちは

きみが好き、好き好きだよ、わたしはなりたい、きみのアイドルに


教室の人影ひとかげから、きみの顔をのぞきみる、バレないようにこっそりと。

教室の窓辺まどべから、きみが走るのをみつめる、さくから身を乗り出すくらい。

放課後の校門で、きみが現れるのを、何食なにくわぬ顔で待ちせる。

夜毎よごと夢に見るのは、きみの前で歌っておどる、世界一のアイドル。


胸が熱い、熱い熱いよ、きみに伝えなきゃ、破裂しちゃいそう

きみが好き、好き好きだよ、きみに伝えたい、ずっと見てたよって

とても遠い、遠い遠いよ、きみが見ている、その世界は遠い

輝いてる、輝いてるよ、きみが見ている、アイドルたちは

きみが好き、好き好きだよ、わたしはなりたい、きみのアイドルに


それはさ、勘違かんちがいがはじまりだった。きみがちらちらこっちを見てる気がしたんだよ。

でもそれは、勘違かんちがいだったんだ。きみが見ていたのは私の持ってたアイドルグッツ。

きみはそのアイドルの大ファンで。この限定グッツの輝きに引き寄せられていたんだね。

きみは言ったね、「いい趣味しゅみしてる」。ホントはね、もっと趣味しゅみを打ち明けたいんだよ。


好きだったはずのそのアイドルに、嫉妬しっとしてた。きみはぜんぜん、わたしを見てくれない。

彼女はさ、恋のキューピットなのに。きみは横顔しか向けてくれないね。

何もかもが完璧なアイドルは理想りそう。ホントはね、強引にでも振り向かせたい。

わたしはね、それはただの女の子だよ。だけど、だけどね、きみがホントに好きなんだよ!


胸が熱い、熱い熱いよ、きみが見てるから、きみが見てくれるから

きみが好き、好き好きだよ、きみに伝えたい、ずっと見てたよって

とても遠い、遠い遠いよ、ステージの奥の、きみの姿は遠い

輝いてる、輝いてるよ、わたしを見つめる、きみの顔が

きみが好き、好き好きだよ、わたしはなりたい、永遠のアイドルに

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