殺人鬼の求愛行動


 他人の血で汚れた指を、壁に擦り付けていく。少し掠れたけれど、文章として読み取ることはできそうだ。

 これをあの人が目にした時、私のことを考えてくれるのか。考えてくれなきゃ嫌だなぁと口元を歪めながら、そこから離れていく。

 もうこれで何回目?

 まだ捕まえてくれないの?


 私の大好きな、探偵さん。

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