勝負!
バルド・ウォッカと名乗った帝国3大英雄は腰から剣を抜いた。
「…………良い剣だな!」
お兄様は足を止めず、走りながら斬り掛かった!
ガキンッ!と大きな金属音が響いた。
「はっ!お前もなかなかの業物じゃないかよっ!」
バルドは、キンッとお兄様の剣撃を弾くと後ろに飛んで間合いを取った。
「流石はこの1年で名を馳せた英雄の家族だな!まさかこんな所で会えるとは思っていなかったぜ!」
手が痺れたのか片手で剣を持って手のひらをヒラヒラさせた。
「俺としては勝負に依存はない。ただ帝国の英雄の目的が知りたい!」
「はっ!目的なんてねーよ!俺はただ強い相手を探して旅していただけだからな!」
言うと同時にバルドが突進してきた。
鋭い剣撃をお互いに捌きながら、激しい切り合いになった。
『『こいつ、やりやがる!』』
二人は笑いながら切り合い続けた。
「はぁ~お兄様大丈夫かしら?」
「カストル、楽しそうに斬り合っているな。流石は帝国の英雄だ。ぜひ、この後は私も手合わせ願いたい!」
目をキラキラしながらエリザも二人の戦いを見ていた。
「エリザも脳筋だったの?楽しそうだけど、命の取り合いしているんだけど………」
1つ間違えると死んでしまうのよ?
シオンは何があってもすぐに回復魔法が使えるように準備だけはしていた。
二人の切り合いは30分にもおよんだ。
「はぁはぁ、流石に疲れてきたな。だが、久々だぜっ!ここまで楽しい戦いはなっ!」
「ふぅ~~、それはこちらもだ。家族以外でここまで斬り合っていられたのは久し振りだよ」
お互いにニヤリッと笑い合うと、構えを変えた。
「次で決める!できれば死ぬなよ?」
「ふっ、貴様がな!」
ビリビリッと二人の闘気が高まるのを感じた。
「あのバルドってヤツ、カストルと同じレベルなのか…………?」
エリザは少し冷や汗をかいてカストルの無事を願った。
シオンは───
『ふむ、確かにバルドさんはエリザより強いけど、お兄様には及ばないわ。ただ、あのバルドの魔法剣が気になるわね』
ただの名刀ではなく、魔力を秘めた魔剣。
シオンは敏感に感じ取っていた。
「いくぞ!!!オーラブレイド!!!」
剣の周りに闘気が纏わりつき、剣先に触れる前に切れる光がカストルに襲いかかる!
「雷光よ、我が刀身に宿りて敵を討て!『雷神剣』!」
刀身に電撃を纏わせて、斬り結ぶだけでもダメージを与えるカストルの得意スキルで対抗した。
お互いの剣先がぶつかると、バチバチッと火花が散り、お互いに踏ん張る形になった。
『雷神剣は触れるだけで電撃のダメージを与えるが、オーラブレイドの闘気が電撃を防いでいる』
『マジかよ。オーラブレイドは通常の剣で受ければ一瞬で粉々になる威力があるのに拮抗してやがる!?』
お互いに自分の自信を持った攻撃が決定打になっていなく驚愕していた。
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