12月24日
痛い、痛い、痛い、痛い、痛い。
どうして? サンタさんにはお願いしてました。怖くなったりしないお父さんと、優しくてあったかいお母さんを下さいって、お願いしてました。なのに、どうして? 痛い、身体中が痛くて、熱くて、泣いちゃいけないのに泣くことしかできなくて、泣いたらもっと大きな声出されて、痛くて、何もできなくて、謝っても聞いてもらえなくて、どうして、どうして、どうして、どうして?
知りません、お母さんと一緒だった人のことなんて知りません、お父さんとお布団に入ってた人のことも知りません、見てません、見ちゃいけないんです、知りません、知りません、知りません、知らないの、知らないって言ってるのに、知ってるなんて言わないのに、何も私は言ってないのに、私はまた『悪い子』だと言われてしまいました、サンタさんからプレゼントをもらえない悪い子だって言われました、悪い子だからお仕置きだって、悪い子だから当たり前なんだって、悪い子だから逃げるなって、逃げたり他の人に言ったらもっと悪い子になるぞって、悪い子になりたくなかったら逃げるなって、我慢したらいい子にしてあげるからって言われました、だから我慢して、我慢して、我慢してるのに。
早く、早くしてください。
もうクリスマスなんだから、他の子よりも先に私のおうちに来てください。私のお願いを早く聞いてください、早くプレゼントを下さい。そうじゃないと私はもう、
「…………あは、」
そっか、私が起きてるからだ。
サンタさんは起きてる子のところには来てくれません。早く寝るいい子のところにしか、プレゼントを配ってくれないのです。
じゃあ、寝なきゃ。
まだお父さんは怖いけど、まだお母さんは怒ってるけど、寝なきゃいけません。
痛い、うるさい、痛いな、痛いな。
早く寝られるといいな……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます