第8話 激戦!マンドラゴラVSマンドラゴラ!
牛もどきの突進を避け、ニールの槍が敵の側面を突く。しかし茂った葉が邪魔で刺さりが浅い。グライドは一気にマンドラ爺を叩こうと踏み込むが、蛇もどきに行く手を遮られてしまう。
その向こうからマンドラ爺が
やはり相手は呪術使い、年齢差を考えれば私よりも強力なのは間違いないだろう。勝機はやはり頭数の差だ。3対3の対峙にあぶれたアイが氷結の魔法を使うと、牛もどきの皮膚や葉に霜が下り、蛇もどきは著しく動きが鈍る。
「おらあっ!」
動きの鈍った蛇もどきにグライドが思い切り剣を叩きつけ、棘鱗がいくつか弾け飛ぶ。だが硬い棘の分だけ力が削がれ、与えた傷は致命傷にはならない。
そこに突っこんでいく牛もどき、ニールの槍はかなり深く突き刺さっているが突進を止めるには至らず、グライドが思い切り吹っ飛ばされてしまう。
『
一瞬遅く、私の術が発動する。これは一時的に地面と足を癒着させて動きを封じる呪術であるが、私の予測が正しければ、植物と融合したこいつらには効果が高いはず!
果たして牛もどきは足元からウネウネと根を伸ばし、完全にその場から動けなくなる。しかし私がマンドラ爺の対処から外れた隙に、奴はニールとアイに対して呪術を放つ。
『狂乱』
強烈に精神をかき乱す術だ。2人は頭を抱えてその場に倒れこんでしまう。
まずい。敵は動きが鈍ったとはいえ臨戦態勢の蛇もどきと無傷のマンドラ爺、こっちは3人が動けず私だけ。私の針やナイフでは蛇もどきたちの防御を抜けそうに無い。
このまま私が倒れたら全滅だ。『狂乱』の解除は間に合うか!?
次は私を狙ってくるのか、牛もどきを解放させてくるか……どちらにせよ後手に回っていては勝ち目が無い!
一瞬の逡巡の後、私は
マンドラ爺が呪術の準備を終える。たとえそれが私を狙っていても、解呪は絶対に成功させてみせる!!
と、覚悟を決めたとき。マンドラ爺の顔がシュルルっと白いものでぐるぐる巻きにされる。これは……グライドの蜘蛛の糸!
あの衝撃では戦線復帰は無理と思われたグライドだが、固い外骨格のおかげか、青い血を流しながらもマンドラ爺を引きずり倒す。
これで形勢が決まったか、私はアイとニールの呪いを解除し、蛇もどきの傷口に麻痺薬を投げつける。
ニールはフラつきながらも立ち上がり、動けない牛もどきの額に槍を突き立てると、牛もどきは足が動かせないためか伏せるように力尽きた。
最後にグライドが倒れたマンドラ爺の顔面にパンチを食らわし、戦闘は終了するのだった。
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