第10話 親戚の叔母さま
奴には親戚の派手なおばさまがいる。その叔母さまはなぜか私にじぶんの着ていた服を送ってくださる。サイズが同じと言うことで捨てるよりいいでしょという感じなのか。
1度目は叔母さまのいる高級老人ホームにお呼ばれしそこでいただいた。
叔母さまの自慢は亡くなった旦那様。
その自慢話は尽きない。
そしてもう着ない30年以上前の服を
「これは本当に高かったの。だから捨てられなかったんだけど、よかったわ 部屋の整理もできるから。」
30年以上前の洋服にはきっとダニや埃がたくさん溜まっている。
クリーニングにもう一度出さなければいけない。
しかもほとんどに少しシミがついている。
今や、ユニクロで毎年流行りのものが手軽に入る時代、いくら高かったと言う服かもしれないが清潔なものを着たい
シャネルなどのブランドのものでもないよくわからないブランドのものを熱弁されてもありがた迷惑な話だ。
1度目はそれでもありがたくいただきお礼の品も送った。
そのお礼の品はお菓子だったのだがたいそう気に入ってくれたようだ。
2度目は突然大きな段ボールにぎゅうぎゅうに詰められた服がやってきた。
「まだまだたくさんあるんだけどとりあえず送ったわ。だいぶ整理できてよかった」
んー やはりじぶんの部屋をきれいにするためと言うのも否めない。
「ありがとうございます。でも私のクローゼットはそんなに大きくないのでたくさん送られても入りきれないかもしれません。」とはっきり言った。
「高い洋服も何着かあるの。私が20代の時の服もあるのよ。とてもみんなに褒められた服なの。みてみて」
その褒められたと言う服は着古してボタンも数個取れていてやはりシミがついているものだった。
ここでまたお礼の品を送ったらまた服がどっさり送られてくると思う。
私はあえてお礼はしたがお礼の品は送らなかった。
プレゼントは難しい。
ありがたいところもあるがやはり中古のものはプレゼントには適さない。
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