【子供の国】〔ホラー〕約48×10行
『子供の国』という看板の古い遊園地をカップルが見つけた。
「なんか、面白そうだな、入ってみるか?」
彼氏の言葉に女は、サビだらけの不気味な遊園地に、入る気は起きなかったので外で待つコトにした。
チケット売り場で彼氏が「大人一枚」と言うと、スモークガラスで中が見えないチケット売り場の中から子供の声で。
「大人の人は入れません……子供のチケットしかありません」と、いう声が聞こえてきた、彼氏は「じゃあ、子供一枚で」と言って。
表示されていた子供料金をトレイに乗せると、小さな子供の手がお金を受け取り。半券になった子供チケットを持って。
彼氏は子供遊園地に入った。
いくら待っていても、彼氏が出て来ないので彼女が不思議がっていると。
ちょうど、子供が覗ける高さの塀の上から、ケラケラ笑う子供たちが顔を覗かせた。並んだ子供たちと同じ高さに。
青ざめた彼氏の顔も出ていた。彼氏が小さな声で「助けてくれ」と言った。彼女は塀の上から覗いている。
彼氏と子供の背丈が同じであるコトに気づいた。ゲラゲラ笑う子供たちの手に、血に染まったナタや手オノが握られているのを見た彼女は、悲鳴をあげて逃げ出した。
~おわり~
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