9#‥寝言
ここはサンバの街の宿屋。リッツとタツキは、あれから夕食をすませ部屋に戻って来ていた。
辺りはすでに暗く、部屋にはランプの明かりが微かに灯っている程度だ。
タツキはすでにベッドに横になり眠りについている。
リッツはタツキと隣り合わせのベッドで仰向けになり色々と考えていた。
(タツキ、疲れてるのかな?食事がすんで部屋に戻って来て少し話した後、すぐ眠っちゃったけど)
リッツはそう思いながら横向きになりタツキの方を見た。
(そういえばタツキの寝顔って初めて見るんだった)
そう思いリッツは起き上がるとベッドに座った。
(……寝顔もやっぱカッコイイよなぁ。でもタツキって、欠点とかないように見えるけど、どうなんだろう?)
するとタツキはモゾモゾと身体を動かしながら寝ごとを言っていた。
(タツキ。急にどうしたんだろう?)
リッツはタツキが何を言っているのか気になり耳を傾けた。
「むにゃむにゃ……リヴィアちゃん。ん〜、やっぱり魔王の服より、メイド服の方が似合ってるよ!むにゃむにゃ……」
その寝言を聞いてリッツは顔を赤らめ、
(……リ、リヴィアって、まさかタツキの彼女!?だけど、これだけカッコイイし、いてもおかしくない。
だけど、どういう事?魔王の服とメイド服って……状況がいまいちのみ込めないんだけど?
メイドに魔王の服……ん〜魔王にメイド服って事かな?)
リッツはタツキを見ながら思考錯誤していた。
(どうしても分からない。だけど、もし魔王にメイド服って事だったらタツキの彼女って魔王って事?
そうなるとあっちの世界には女の魔王が存在し、それもタツキの彼女でメイド服を着ている。
って事は……いや、流石にそれはないよなぁ)
そうこうリッツが考えていると、タツキはそのまま深い眠りについた。
(もう何も言いそうにないかぁ。でも、今の寝ごとって本当の事なのかな?気になるし、後で聞いて見ようかなぁ。
ふあぁ〜、眠くなってきたし寝よう)
そう思った後あくびをし、眠くなってきたのでベッドに横になりリッツは眠りについた。
だがこの時の寝言がタツキの弱みだとはリッツは知らなかった。そして先々までも恐らく気づく事はないだろう。
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