第60話 開けてビックリ

とある事件が起きた家の解体をお願いしたい――そのような依頼があった。


「親父が何者かに殺されたんですよ」

「はぁ……それはご愁傷さまです」


そういう類いの依頼も稀にある。

特に気にせず解体を進めていると、

押し入れの奥から金庫が出てきた。


「ああ……それ鍵がないんですよ」

「御希望でしたらお開けしましょうか?」

「お願いします。お金でも出てくるといいんですけど」


しばらくして鍵をこじ開けると、

中から錆び付いた包丁が出てきた。


「あの……これ、どうしますか?」


振り返ると顔を真っ青にした依頼主が立っていた。

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