1月14日 06:00
「今日は愛と希望と勇気の日だよ!」
「なんて?」
「愛と希望と勇気の日!」
「すごい名前がついてる日なんだな」
「ねー、私も初めて知った!」
「なんでそんな日になってるんだ?」
「結人はタロウとジロウってしってる?」
「誰? そんなに珍しい名前でもないような気がするけど」
「えっとね、南極探検についていった犬なんだって」
「あ、犬の名前なのか」
「私はちょっと前にタロウとジロウのことをテレビでやってたのを覚えてたんだけどね、置き去りにされちゃった犬なんだよ」
「置き去りって、南極に?」
「そう、その2匹以外にもおいてかれちゃったんだけど、生き残ったのは2匹だけだったみたい」
「そんなに長い期間だったのか?」
「1958年から1年くらいだって」
「南極で1年って……人間なら間違いなくダメだっただろうな」
「だねー、私達なんて冬どころか秋になってきたら寒い寒いって言うもんね」
「厚着し始めるしな」
「それで、タロウとジロウが生きてるって、わかった日が今日だったから、愛と希望と勇気の日って名づけられたみたい」
「南極に置いていったってことは覚悟もしてたんだろうから、それが1年後に生きてるってわかったらそうなるのも不思議じゃないな」
「あとね、もう少し面白い話があるんだよ」
「面白い話?」
「南極においていかれてからの1年間、何を食べてたかわかってないんだって」
「何をって、しかたなくというか、共食いじゃないのか?」
「共食いをした形跡はないんだって。それに、残しておいた犬用のご飯も食べられてなかったんだって」
「じゃあ、何を食べてたんだ?」
「だから、それが不思議なことなんだよ! 色々予想はされてるけど、正確にはわかってないみたい」
「なんて言っていいのかわからないけど、すごいな。話題になるのも納得」
「南極にタロウとジロウたちを置いてきた人たちも結構責められたんだって。鎖につなげたままおいてきたから」
「ひどいな……」
「そういうことも全部含めて愛と希望と勇気の日ってつけられたみたい。あとね、それとは直接関係ないんだけど、今は南極に動物を連れて行ったりするのも禁止されてるみたい。だから、もう2匹みたいなことは起こらないんじゃないかなー?」
「そうだな。特につながれたままってのが残酷だったし、今だと虐待に近い扱いだろうからな」
「あとねー、この話をモチーフにして映画とかも結構作られたみたい」
「じゃあ、暇なときにでも見てみるかな」
「どこかで配信されてるかなー?」
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