慕容垂5 猶お鷹なり
すると
合わせてその地にはびこる反逆者を成敗、
その治安を回復させたい、と。
うん、まぁやばいよね☆
なのに苻堅は認可。
ビビったのは側近の苦労人、
「慕容垂は
人の下につくのを良しとは
決して考えておりませぬ!
たまたま
我らが元に亡命してまいりしたが、
あくまで避難でしかありません!
王の徳を慕ってのことでは
ございませんでした!
王はやつに領土や城、
そして冠軍将軍の号を与えられましたが、
それに満足なぞしておりますまい!
加えて慕容垂は、例えるならば鷹です!
飢えていれば人に近付きもしますが、
ひとたび満腹ともなれば
速やかに、飛び去る!
すなわち世の擾乱に出くわせば、
奴は「
やつに対して必要なのは、
その手綱を強く引き締めること、です!
やつの好きにさせてはなりません!」
苻堅、当然のように聞き入れない。
それどころか
三千の兵を率いて慕容垂を見送らせた。
加えて
命じるのだった。
堅至澠池,垂請至鄴展拜陵墓,因張國威刑,以安戎狄。堅許之,權翼諫曰:「垂爪牙名將,所謂今之韓、白,世豪東夏,志不為人用。頃以避禍歸誠,非慕德而至,列土幹城未可以滿其志,冠軍之號豈足以稱其心!且垂猶鷹也,饑則附人,飽便高颺,遇風塵之會,必有陵霄之志。惟宜急其羈靽,不可任其所欲。」堅不從,遣其將李蠻、閔亮、尹國率眾三千送垂,又遣石越戍鄴,張蠔戍并州。
堅の澠池に至るに、垂は鄴に至りて陵墓を展拜し、因りて國を張り刑を威し、以て戎狄を安んぜんことを請う。堅の之を許すに、權翼は諫じて曰く:「垂は爪牙の名將、今の韓、白と謂いたる所、東夏の世豪なれば、志にて人に用いらるを為さず。頃を以て禍を避け誠に歸せど、德を慕うに非ざりて至らば、列土幹城は未だ以て其の志を滿たさざるなり、冠軍の號、豈に以て其の心を稱うるに足らんか! 且つ垂は猶お鷹なれば、饑うらば則ち人に附き、飽かば便ち高く颺す、風塵の會に遇わば、必ずや陵霄の志を有さん。惟うらくは、宜しく其の羈靽を急ぎ、其の欲す所を任すべからざらん、と」と。堅は從わず、其の將の李蠻、閔亮、尹國を遣りて眾三千を率い垂を送らしめ、又た石越を遣りて鄴を戍らしめ、張蠔に并州を戍らしむ。
(晋書123-5_識鑒)
報われない諫言者権翼サンが出てきただけで、もはや涙、涙……(爆笑しながら)
しかしここで権翼さんが持ち出してくるのが班固とか淮南子とかで勘弁してって思いました。いいじゃん、十三経だけで行こうよ……(それでもキツイ)
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