忍び寄ってくる悪意

スレが終わったあとはみんなで夕飯を食べた。

男の子2人は心配だからと言って泊まってくれた。

そして次の日に『グーくん』の知り合い?がやっているお祓いしてくれる所にみんなで行った。

そこで言われた事は


『妹さんの頬には少しだけ怨みの念がこびりついていたから祓ったぞ?コレで傷の治りも早いはずだ』

『ありがとうございます』

『で、問題はお姉さんの方だ』

『自分の?ああ、足首』

『おう、その足首には呪いがかけられてる。普通の人だったら痛みで転げ回るほどなんだが』

『少し痛いとたまに感じる事があるだけですが?』

『うん、お姉さんは体質的に呪いとかそういうのにはかかりづらいというか、かかっても数日すれば解かれているというか』

『特に問題ないって事ですか?』

『うん、まぁ、そうだな。必要なかっただろうが俺が祓ったから足首の跡ももう少ししたら消えるだろう』

『ありがとうございます』

『あと問題があるとしたらお前だな』


お祓いの人 (名前は教えてもらえなかった)は『パーくん』を指差してそう言った。


『お前はモテるだろう?』

『あ?まぁ、そうだな』

『お前に憑いてる女の生霊共が喧しい』

『んなの俺に言うなよ。俺はコイツ以外の女はお姉さん以外はどうでも良いからな』

『うっわ!モテ男のセリフだわ!ムカつくわ~!』

『本当の事を言っただけだ。女なんか喧しくて鬱陶しいだけだろ』

『うっわ~!けど、気をつけろよ?あまりに強すぎる思いは呪いになる』

『あ?』

『素人だろうと呪ったら穴二つだ。一つは呪った自分の穴だが、もう一つの穴は呪われた奴が入るとは限らねぇからな。守りたいもんがあるなら気をつけるこった』

『チッ、どうにもならねぇからこうなってるんだがな』

『そうだなコイツは本当に自分の恋人以外は眼中にねぇって態度を学校でもしてるからな。それでもコイツに勝手に惚れて自分のモノにしてぇって奴が後をたたねぇんだよ』

『あ~、、、モテ過ぎるのも考えモンだな。しかも対策ってか態度でそういうのを表してるってのに諦めねぇ女達も怖ーな。まぁ、またなんかあったらここに来いよ。対策を考えてやるから』


そうしてお祓いの人に人数分のお守りを貰って帰った。




そうして自分の足首の跡も妹の頬の傷も薄くなってきた時にそれは起こった。


『お姉ちゃん、あの女がなかなか現れないと思ってたら、あの女入院してるみたいなの』

『入院?』

『うん、話してる人の話を聞いてたらね?あの女、傷だらけで部屋で倒れてたみたいなの』

『傷だらけ?』

『うん、今は意識がないみたいで眠ってるみたいなんだけどね?話してる人の話では自分で付けたんじゃないかって』

『自分で?』

『うん、自殺をしようとしたんじゃないのかって話してた』

『あの女が自殺?』

『多分、いや、絶対に自殺しようとして付いた傷じゃないよ!私達を呪った代償じゃないかな?』

『多分、、、そうだろうね。お祓いの人も呪わば穴二つの事を言ってたからね。呪いが自分に還ったんじゃないかな?』


妹とそんな話をした夜の事だった。

ベットに充電してるスマホをかけた達磨を側に置いて眠っていた時だった。


『~、~、~、』


話し声が聞こえた気がした。

起き抜けのぼーっとした頭で側にいた達磨を抱えながら毛布を被ろうとした時、それはハッキリ聞こえた。


『8、9、10、もういいかい?』

“びちゃっ、びちゃっ”


聞こえた音は数を数える声と、、、濡れたような足音だった。






世界が歪んだ。







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る