夕立と陰毛

チューブラーベルズの庭

陰毛

 小学六年の時だった。

 女子の陰毛を見たのはそれが初めてだった。


 同級生の、ほとんど産毛うぶげのような栗色の陰毛が、雨に濡れた皮膚に貼りついていた。

 おそらくまだ生え初めたばかりなのだろう。

 細くて柔らかそうで、まるで猫の毛のようだった。


 仁王立ちになった彼女のスカートは足首までずり下ろされているが、水分を含んだパンツは股下で引っかかっている。

 勢いよく下ろしたためぬの面積部分は著しく狭くなっていた。

 辛うじて性器本体の露出は免れている。


 太ももは浅く日焼けしているのに、くっきりと下着の形にコントラストを刻む下腹部の白さ、その上に僅かに滲むパンツのゴム紐あとが、信じがたいほどになまめかしい。

 股から視線を外しゆっくり見上げる。

 へその下のなめらかな曲線が、呼吸と一緒に漏れるクックッという笑いのため、わずかに震えて上下している。

 川野ゆり子は、恥ずかしそうな、だけどイタズラっぽい笑みを浮かべていた。


 オレはごくりとつばを飲む。

 彼女は今、パンツの両サイドに親指を引っかけた状態で動きを止めている。

 パンツだけが見える世界と見えない世界を分けへだてている。


 ――パンツを、あと少し……、あと少しだけ、下げてくれれば……。


 薄い布地のすぐ下に、彼女の秘部があるかと思うと猛烈に興奮していた。


 ――あのパンツの下に、川野の、本体そのものが……。


 全身の毛が逆立ち、下半身が信じられないぐらいにたぎっていた。

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