勇者様も赤ちゃん!?

オレは勇者が赤ちゃんだった事に驚いて叫んでしまったが、他の人達もまさか勇者が赤ちゃんだとは思わず驚いて固まっていたので誰も気にしていなかった。

(あ、赤ちゃん!魔王様と正反対に白い!髪は銀髪なのかキラキラ輝いてるし!目は青、いや、水色かな?すごく綺麗だ!可愛い!)


「かわ、かわ」

「えっと、あの?」

「あう?るー?」

「あ、だ、大丈夫だよ。勇者は大丈夫かな?」

「う~、あう!」

「そう、いいこ」

「~~っっ!~っ!がわ、可愛いー!!」

「ひぁ!、、え?」


フードの人を驚かせてしまったのは悪いとは思うが、勇者が、いや、勇者様が可愛くてオレは気遣うどころじゃなかったんだ。

(うわうわ!魔王様と同じ反応してる!勇者様も賢い!それ以上に可愛い!)


「あー、可愛い!勇者様可愛い!」

「え?あの?」

「レーヤ、落ち着け、、、悪いがここでは落ち着いて話し合えないだろうから部屋を用意した」

「す、すいません。けど、その、可愛くて」

「分かった、それもここから移動してからにしろ」

「はい」

「勇者、、いや、君は違うんだったな、、まぁいい、こちらに来てくれ」

「あ、はい」


そうして謁見の間から移動している間に少しだけ冷静になってきたがまだ興奮している。

移動した部屋の中にはオレ、魔王様、フードの人、勇者様、サージさん、メーヤさん、セーラさんの7人が移動した部屋の中に居る。


「えっと、その、すみません。オレは金木 連夜といって、ここではレーヤって呼ばれてる日本人です。赤ちゃんが好きな普通の高校生でしたが、この世界に召喚されてからは魔王様の世話係りをしてます。そして、この方が魔王様です」

「あう、まーちゃ!まーちゃ!」

「あ、うん、魔王だね。名前をちゃんと言えて偉いね」

「あい!」


珍しい事に魔王様はフードの人が気に入ったみたいで、褒められてとても嬉しそうな顔をしている。

(うわぁ!魔王様可愛い!なにその可愛い顔!あー!可愛い!)


「俺はサージという。魔王様の側役だ」

「私はメーヤと申します。魔王様付きのメイドです」

「オ、私はセーラと申します。魔王様付きの執事です」


セーラさんは何時もの一人称が出そうになったが、他の3人もちゃんと自己紹介をした。

そして、フードの人は緊張しながら自己紹介をする。


「その、僕は 白夜 瑠璃 (びゃくや るり)といって、その、その子と同じ世界から喚ばれた日本人です。そして、この子が勇者です」

「うーちゃ!」

「うん、勇者もちゃんと名前言えて偉いね。いいこ」

「きゃあ!きゃっきゃ」


勇者様もフードの人、、、瑠璃くんに撫でられながら褒められとても嬉しそうだ。

(うん、可愛い!赤ちゃんが二人も居るなんてここは天国かな?いや、魔王様が居るんだから天国じゃないのは分かってんだぜ?、、、というか、瑠璃くんはフード外さないのか?鬱陶しくねぇのか?)


「すまないが、少し聞きたい事がある」

「う、うん。なに?」

「勇者は今いくつだ?」

「勇者の年齢のこと?知らないけど、、、あの人達が勇者の事を話してるのを聞いた事はある」

「それ、ソイツらは何と?」


サージさんは何か知りたい事があるみたいで瑠璃くんに話を聞いている。

(サージさん、ゴミみたいに“それ”って言いそうになってた。まぁ、あんなクズ達はそれって言われるだけ良い方だよな、、、クズだし)


「僕にはよく分からない話だったけど、確か、、、『神界の者と人間とのハーフ』とか『だから1年以上前から歳をとってない』とか、あ、あと『役立たずの勇者として生まれた』とか、、、かな?」

「、、、ハーフ、歳をとってない、役立たずの勇者、か、、、なるほどな。その勇者は、いや、勇者様は魔王様の対の勇者様だろうな」

「対の勇者?」

「あ!それ、その対の勇者様とかって前も聞きましたけど、どういう意味何ですか?」


瑠璃くんも意味が分からず聞き返したが、オレも前に名前だけ聞いただけの単語が出てきたのでサージさんに聞いた。

(サージさんは瑠璃くんから話を聞いて何か分かったみたいだけど、、、というか、役立たずって何だよ!赤ちゃんに何かを押し付ける方がバカでアホで救いようがないよな!?ったく!)





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