オレは魔王様の世話をする

 話を聞かされたオレはまた魔王様の部屋に戻された。

 ちなみにオレをここには案内 (無理矢理だけど)したのはサージさんていう名前で立場は魔王様の側近なんだってよ。

(しかし、サージさんに魔王様の名前を聞いたけど知らないって言うし、、、魔王様が喋れるようになったら聞けって言うし、、、呼び名は魔王様でいいかな?)


 サージさんに聞いたところ上級の魔族は生まれた瞬間に自分の名前を持っているそうだ。

 なので喋れるようになったら自分の名前を言うので赤ちゃんの時は仮の名前で呼ばれるそうだ。

(まぁ、魔王様に仮の名前なんて付けられないだろうし、みんな魔王様って呼ぶんだろうから仮の名前は魔王様で良いんじゃ?)


 「んむ、、、すぴー」

 「しかし、赤ちゃんは可愛いよなぁ」


 オレは魔王様の寝顔を見たあと、このでかい部屋に何があるか見て回る。

(ん~?)


 「これが哺乳瓶なのは分かる。そしてここがキッチンなのも分かる。そしてこのレバーを上げれば水が出るの分かった」


 水がちゃんと出るのを確認したら冷蔵庫を開ける。

(これも冷蔵庫って分かるくらいには変わってるわけじゃないしな)


 「水もはいってるけど、、、水道水って飲めるのかな?日本じゃ飲めるけど外国だとほとんど飲めないって聞いた事あるけどこの世界ではどうなんだ?」


 冷蔵庫の中を確認したら他の物も確認するために辺りを見回した。

(ん~っと、、、あ、あれか)


 「これが赤ちゃん用の粉ミルクか、、、あれ?見たことがない文字なのに何て書いてるか分かる?よくある召喚特典か?」


 まぁ良いかと思いながら他も見て回る。

(う~ん、、、分からない物のほとんども見た瞬間に何か分かったけど、これも召喚特典か?)


 「よし、人肌になったな」


 部屋を物しょ、、色々調べ終わったので今は赤ちゃんのミルクを作っている。

(水道水は飲めるか分からなかったから冷蔵庫の水を温めてミルクを作ったけど、あとでサージさんに聞いてみよ)


 「、、、う、んむ、、ん?、、う?う?、、、~っ、ふっぎゃあ!」

 「あ、起きたか!今行きますよ!」


 起きて泣き出した魔王様の元にミルクを持って戻る。

(あ~あ、真っ赤になっちゃって、、、可愛いなぁ)


「一人にしてすみませんね?ほら、ミルクを持ってきましたよ?飲みますか?」

「う~、う~、ひっく」

“ぎゅ”

「あ~、ごめんごめん、一人は怖かったですよね?良い子良い子、泣きやんでミルクを飲みましょうね?お腹ペコペコでしょう?」

「う~、、ひっく、、ん」


起きて一人だったのが寂しかったのだろう魔王様はオレが抱き上げた瞬間にオレの服を力いっぱい掴んできた。

なのでオレは優しく背中を叩きながらなだめる。

(魔王様なら敬語の方が良いよな?)


「よしよし、良い子。泣き止みました?」

「う?う~」

「ああ、ミルクを飲みたいんですね?ほら、上手にごくごくしましょうね?」


泣き止んだ魔王様がミルクに手を伸ばしたのでオレは魔王様を横に抱き抱え直し綺麗なタオルを魔王様の首元に被せてからミルクを飲ました。

(お、ミルクをこぼしてない)


「魔王様はミルクを飲むのが上手ですねぇ」

「むっ、、んっ、、」

「お、早いですね?もう飲み終わりましたか?よしよし次はゲップをしましょうね?」


ミルクを飲まし終わったオレは魔王様にゲップをさせるため背中を叩く。

(詰まっちゃったら危ないからな)


「ほら、トントンししますから上手にゲップしましょうね?」

「うっ、、けぷ、くぷ、こふ」

「ああ、出ましたね。上手に出来て魔王様は本当に良い子ですね」

「う?あ~、うっ、うっ」

「ん~?どうしました?寝んねしたくありませんか?」

「う~」

「まだ眠くない、ですか、、、うーん、、、そうですね」


赤ん坊の部屋だというのにこの部屋にはぬいぐるみ一つ置いてない。

(赤ちゃんに必要性な物をあとでサージさんに言って用意してもらわないと)




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る