第四話

「随分と判り易い痕跡を持ってのお帰りだね」

指差された首元に薄く口紅。


「そのまま泊まってくればいいのに、お馬鹿さん」

出来る訳がない。

片田舎に向かう終電で、こんな夜更けにもかかわらず待っていてくれる人がいるのに。


一瞬でも心揺れてごめんなさい。

「眠るとき、隣にあなた以外は考えられないから……」


「嬉しいお言葉だけど、さすがに眠い!!」


「はい!速やかに寝る準備します!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る