2ndステージ『13番:トロイメライ・ハートvs RHevo.みゆき』
控室
異世界『控室』。
「次は正真正銘、俺様の出番だろうな!」
「んんwwwその通りですなwww」
「高月さん、頑張って⋯⋯!」
高月さんが軽快なジャブを放つ。受けるのは無駄に機敏な動きのクサハエル。さっきから少しずつボルテージを上げているのだが、全く同じ調子で受け止められている。
「おっさん、つえーな!」
「んんwwwそれほどではありますぞwww」
破裂音。
右ストレートと右ストレートがぶつかり合った。びりびりと痺れる感覚を握り締め、高月さんがにっかりと笑う。
「……あんまり、暴れないで」
ジト目で苦言を呈するハート。エンドフェイズの纏う襤褸布を丁寧に剥がし、濡れタオルで拭いている。クサハエルが見てきたので、睨みながら視線を遮った。
「んんwww勘違いはよくないですぞwww貴殿も参加者に選ばれておりますゆえwww」
「私…………?」
「え、待って! 高月さんと、こいつも行くっての!?」
声を上げるメルロレロ。
「なに、不満?」
「あ、いえ……そうじゃないけど」
実力的には申し分ない。しかし、と視線を移した先。ちょっとお洒落な感じに布を巻かれたエンドフェイズ。
「あ、エンドフェイズの世話してやる奴がいないな!」
高月さんがけらけら笑う。
「あたい! 寝る!」
「誰もアンタに期待してないわよ。てかメフィストフェレスはどこ行ったの。逃げんじゃにゃいわょ」
噛んだ。生暖かい視線が注がれて赤面する。そんな少女の頭をがしがし撫でながら高月さんが一言。
「メルロ、任せた! お前だけが頼りだ!」
「え、うん! 私頑張…………いや、待って。待って!」
「んんwww行ってらっしゃいですなwww」
クサハエルが指を鳴らす。
「待って!!!!!!」
メルロレロの抗議届かず。二人は姿を消した。少女は恐る恐る振り返る。ソファがぐにゃりと歪んだ。
普段、エンドフェイズの『崩壊』はトロイメライ・ハートの『時空』の魔法で抑え込んでいる。彼女がいない場合は、物理と根性で『崩壊』に渡り合う高月さんが大体なんとかしてくれる。その二人がゲーム世界に飛ばされた。
つまり。
「ど、どうすんの…………!?」
「んんwww終末のラッパが吹き荒れますなwww」
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