第6話働きたくないでござる!
「今日からここのカラオケ店で働かせてもらうバイトの杉村です。よろしくお願いします。」
少し話をしよう。何故俺がバイトをする羽目になったのか。そうあれは夏休みが終わって1週間ぐらい経った頃だろうか。
『あんた今月から小遣いなしね』
と言われ理由を聞いたら、
『あんたもうそろそろ親のスネをかじってないで働きな』
と言うそうです。僕まだ高校生だよ?まだ働かなくていいね?
しかしこの母一度決めた事は絶対に変えないからな。来月には円盤買わないといけないし....くっバイトするしかないのか....
と結果来月に欲しいものがあるから働きます。
背に腹はかえらない。はー働きたくないなーまあ出来るだけ楽なバイトだからいいけど。
「店長ー休憩入りまーす。」
「あっ佐川ちゃんお疲れ様。あとちょっといい?」
「なんすか?早く休憩に入りたいんだけど....ってなんでここに杉村がいるの?」
「あれ佐川ちゃん杉村くんと知り合い?」
「まあ知り合いつーかまあ知り合いすっね」
わーい知り合いだー。他人よりはマシだー。でもなんだろーちょっぴり傷つくなー。ぼっちの心は繊細なんだぞ!!
「実は佐川ちゃんに杉村くんの教育係になってもらいたくてね。いいかな?」
「別にいいっすけどその代わり少し時給上げといてください。」
「わかったよ。じゃあ杉村くん。佐川ちゃんに教えて貰うように。私はちょっと出かけてくるから」
「とりま私休憩入るからあんたとりあえず皿洗いやっといて。とりあえずそれだけ一時間ぐらいは時間潰せるから」
「わかった」
「ちょっとここでは私先輩なんだけど」
「えっ」
「なーんて嘘。びっくりした?」
うん。びっくりしたね。もう死んじゃうぐらい!
「まあ多少なり」
「まあとりあえず私の休憩が終わるまで皿洗いやっといてなんかあったら言ってね」
「わかった」
「いやー疲れたー。」
「お疲れ様。ほれこれ」
「あっ代金」
「いいって奢りよ奢り。」
あー初めて奢って貰った。感動。泣けてくるぜ....
「そーいえばなんで杉村はバイト始めたの?」
「あー親に小遣いやんないって言われてでも来月に欲しいものがあるからバイトを始めた」
「ふーんその欲しいものって?」
「円盤....」
「ふーん円盤ねー。ま、いいんじゃない。」
「佐川さ、なんでバイトしてんの?」
「んーと。私、下に2人弟がいるのそのうちの1人は今年受験なの。だから塾代が必要なんだけどまあそこら辺は大丈夫なんだけど....私将来教師になりたいの。だから大学に行く為の金を稼いでるの。大学に行くお金を弟達に回して欲しいの弟達が行きたい高校に行って欲しいの」
「佐川って優しいんだな」
「別に.....」
「だってさ、自分為じゃなく実質家族の為にバイトしてるもんだろ?俺や他の人なんて自分為にバイトしてるし。まあ大抵の人はそうだと思うけど。俺そういう佐川結構好きだわ。」
「ばっかなに恥ずかしい事言ってんの」
ん?ちょっと照れてる?やっば俺女子口説いちゃった?もしかして今落とせる?その瞬間俺の頭にある映像が流れた。ダメだ!!今口説いたら誠みたいになってしまう。口説くのはやめておこう。ずっと口説かない。まだ死にたくないからな!
「はいはい恥ずかしい事言ってすみませんでしたー」
「本当杉村ってどっかおかしいよね」
「はいはいどうせ俺みたいな陰キャはどっか頭のネジぶっ飛んでますよー」
「でもね。そういう杉村の性格好きだよ」
「ちょ待って恥ずいやめて。うん。俺が悪かった。」
いや恥ずいめちゃ恥ずいしかも俺が言ったセリフだから余計に恥ずいやだもう死んじゃう。
「じゃあうちここの近くだから」
「おうまあ俺もここの近くなんだけど」
「てことは近所ってことになるのな」
「ここ私の家。」
ん?俺の隣家じゃん
「俺のそこの隣家」
「いや、めちゃ近いじゃん。なんでいいまで気が付かなかっただろう。」
「マジでそれ俺全然気付かなかったわ」
「えっ、てことは私と杉村実質幼馴染?」
「さあ?わからん?ま、幼馴染でも知り合いでもなんでもいいわ。」
「そうだね」
「ま、じゃあなまた明日な」
「ん、じゃあねまた明日ね」
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