第17話 4歳の暗殺者4

 私はポッケに目薬を入れた。チャンスが来た時、すぐに使えるように。


 わりとすぐ、チャンスは来た。樹くんが牛乳を飲みに来たのだ。


 コップに牛乳を注いだ時、時計が鳴った。


「あ」


 と時計を見て小さい声を出すと、樹くんがテレビの方へ歩きだした。


 テレビ台からリモコンを手に取る。


 今だ! 今がチャンスだ!


 たくさん飲めば、死ぬだろう。私は、必死に目薬を連続プッシュして牛乳に次々と垂らす。


 テレビのチャンネルが変わった。樹くんが戻って来る!


 私はキッチンを出て、扉の影から樹くんの様子を伺う。


 その牛乳を飲んだら終わる。さようなら、樹くん。

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