第11話 樹くん7
いつもより早く目が覚めた。
階段を下りる。
いつも閉まっているリビングの隣の小さな部屋のドアが開いている。
中を覗くと、ママが正座して両手を合わせ、目を閉じていた。
ママは手を下ろし正面を向いた。なんか、大きい木の箱みたいなのがある。
「はんな。おはよう、早いのね」
「おはよう! 何してるの?」
「……おいで」
私はこの部屋に入るのは初めてだ。
ママの膝の上に座る。
顔を上げると、目の前に扉の付いた箱だ。色んな物が置いてあって、写真がふたつ、飾ってある。
赤ちゃんの写真と、女の人の写真。
サーっと、体から血の気がなくなった。
「……ママ……」
「はい?」
あ、今のママじゃなくて……前のママの写真だ……。
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