文章の練習

古川流桃

ビアバー

私は、雑居ビルの狭い階段を2Fまで上っていき、ビアバーのガラス張りのドアを開けた。

「予約のフルカワです」

と告げると、店員さんはカウンターのほうを指して「どうぞ」と言った。カウンターに向かう途中で、店内を眺める。6つあるテーブル席のひとつだけが埋まっていて、店主が客らしき人と座っていた。私と目が合うと、店主が立ち上がった。

「こんにちは。こんなときに、来ていただいてありがとうございます」

「いえいえ。今日も美味しいビールをいただきます」

私はカウンターに腰掛けて、目の前の白いタイルの壁を眺める。壁にはビールを注ぐタップが埋め込まれていて、白いタイルに黒いペンで直接ビールの種類、アルコール度数、苦さが書かれている。

「CTO IPAをください」

と、私は注文をした。

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