眩耀
椅子に腰掛け微睡む少女。窓の外を見つめているのは、その少女自身ではなかろうか。
「今」この瞬間、過ぎ去って行く時間は決して後戻りすることは出来ない。
逢魔が時、夢の中の少女には窓の外に何が見えたのか、決して来ない時を愁いでいるのか。
絵画を観ている内に、なんだか視界がぼやけてきた。私は泣いているのか……
どういう訳だかこのまま、この絵をずっと観ていたくなった。しかし、夢を終わらせねばならぬ。
黒いドア。
多分これが、最後のステージなのだろう。
これで終わりにしよう……
覚悟を決めドアを開ける。
落日に目が眩み、膝をついてしまった。
【 了 】
※参考資料
バルテュス作『決して来ない時』
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