第3話公園デビュー
公園デビュー、それは新人ママにとって一大イベントでもある。数日かけての遊具の準備や外遊びの注意をしてみたり(絶対まだわかっていない子ども相手に)色々な雑誌を読んだり。
例に漏れずママもまた同じく事前準備をしてから座って遊べるようになった息子くんのためにいよいよベビーカーのみの散歩からお砂場遊びに出かけました。
数日続いた晴天でお砂場の砂はサラッサラ。春風が心地好い午前十時に一時間ぐらいを目安にと真新しいお砂場セットを持っていざ行かん公園デビュー。
先客は少しお姉さんな女の子が居て軽い挨拶を傍らにいたママさんに交わしてから息子くんをベビーカーから降ろしお砂場へ。息子くんは初めての感触を確かめるように砂を触ってはサラサラ流れるのを楽しんでいた。持参したお砂場セットを渡してやると好きに遊んでいる。ホッとして息子くんから視線を上げてみれば周囲の長閑な風景に肩の力も抜けてくる。
お砂場は柵で囲まれていて比較的安全と思っていた。
ほどなく息子くんの泣き声に息子くんを見るとどうやら持ってきたお砂場セットを先客の小さなレディに奪われたらしい、小さなレディも息子くんの泣き声にびっくりして泣き出してしまい先方のママさんも慌ててお嬢さんの手からお砂場セットを取り上げてお嬢さんにお叱りを。さらに泣きじゃくる女の子。が...ここで息子くんがイケメン発揮。返されたお砂場セットと叱られて泣いている女の子を暫く見ていた息子くん、まだ泣いている女の子に「あい」っとスコップを渡したのだ。我が息子ながら(やるな、コイツ)と思ったが間を取りなしながら二人で遊び始めたのを見て先方のママさんと共に笑顔になって眺めていた。
暫く楽しんでいたのだがふとママ二人の目がある一点に気づいた、キラッと光ったそれはどうやら瓶の破片。切っ先は鋭利で二人で真っ青になりながら周辺を確認すると、所々に硝子の欠片があるではないか。
息子くんと女の子とを上手く誤魔化しお砂場から連れ出し手を洗わせながらママさんと相談してとりあえず公園の管理している連絡先に連絡。
運良く二人の子供たちが硝子片に触ることがなかったけれど、ちょっと怖かったのを今でも覚えている。
その後児童館で再会し息子くんが保育園に入園するまで仲良く遊んでいたけれど、後にも矢張り話題にあがったちょっと怖かった思い出になってしまった。
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