第25話 一組のカップル誕生
私は蒲生さん、瀬田先輩、牧村先輩と共に、茶道部の部室にいた。
瀬田:「今度は、茶道部の部長として牧村を広報に載せたと思っているんだけど、コンセプトが決まってないんだ。」
私:「コンセプト?」
瀬田:「要は利子ちゃんの逸話をベースに、雰囲気作りをしたいんだ。今はどんな逸話を仕入れているのかな?」
私は『心の持ちよう』と『侘び茶の極意』の話をした。
瀬田:「なるほど。牧村ならどっちの逸話を使う?どっちの雰囲気なら行けそうかな?」
牧村:「どちらの逸話も、茶道で自然な動きを見せればよさそうね。でも極意というのは、茶道部に近寄りずらくなるかもしれないわ。」
瀬田:「そうだな。じゃあ『心の持ちよう』の逸話をコンセプトにしよう。問題は客役だな。誰が良いだろう。」
牧村:「瀬田君、瀬田君がやって。わたし精一杯おもてなしするから。」
蒲生さんが私にささやいた。
蒲生:「恋だわ、恋の匂いがする。」
私:「よくわかるね、蒲生さん。」
蒲生:「なんだか、自然とわかるようになったの。『心の持ちよう』の逸話を一緒に聞いたからかな?」
後ろから、細川さんと芝山先輩の声が聞こえた。
細川:「あのお二人は、私も怪しいと思っていましたわ。」
芝山:「そうなんだ。知らなかった。」
私:「あっ、細川さん、芝山先輩。今ね、瀬田先輩と牧村先輩が、次の広報に載せる写真について話しているところなんだよ。コンセプトは決まっていて、お客さんを誰にするかを話しているみたい。」
細川:「どのようなコンセプトですの。」
蒲生:「利子ちゃんの『心の持ちよう』の逸話だよ。」
私は『心の持ちよう』の逸話を細川さんと芝山先輩に話した。
芝山:「なるほど。亭主と客の、仲の良い写真が撮りたいわけか。」
細川:「では、あの二人の仲を後押ししてあげましょう。芝山君、客役を牧村先輩にしてあげて。」
芝山:「わかった。おーい瀬田。客の話なんだけど・・・。」
その後、広報に瀬田先輩と牧村先輩の仲睦まじい様子が、茶道部の写真として紹介された。
二人はこの広報をきっかけに、付き合い始めた。
私:「蒲生さんの言う通り、恋だったね。」
蒲生:「あの二人、幸せになれると良いね。」
私:「そうだね。」
◆◆◆
現在の蒲生の特殊能力
・頼れる仲間
・恋のキューピット・初級(☆LVUP↑)
現在の細川の特殊能力
・お嬢様的話し方
・学年トップの成績
・すごいオーラが出ている
・恋のキューピット・初級(☆LVUP↑)
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