夜空にホタルが乱舞する故郷
ハリマオ65
第1話:プロローグ
1950年代、戦後復興の時代、主人公の父、宮入俊平は、N生命の営業マンとして東京本社から新潟に約5年、長野県南信に12年と地方を転勤して、子供を2人もうけた。1951年9月に生まれた宮入晋平は、幼い頃、辰野で見た幻想的なホタルの明かりが脳裏から離れなくなった。
多感な中学時代を送り、結束の強い仲間が出来たが、高校に入る頃、父の転勤で東京へ。月日は流れ、2012年春、宮入晋平の奥さんの沙織さん膵臓がんが見つかった。そして翌年の6月、ホタルが死に際に灯りをともし夜空を乱舞するように、一生懸命に生きに天に召された。
その後、宮入晋平は、無性に郷愁漂う、中学時代に感動した辰野のホタル祭りに行き、これからの人生を辰野の旧友達と過ごしていきたくなった。そこで、時間が出来れば、信州・辰野へ出かけるようになった。中学の友人達もそれぞれ、人生の辛酸をなめ方を寄せ合うように集まった。
信州に育った人達は、過疎化と冬の寒さから逃れようと、きらびやかで冬も日差しの暖かい東京をめざして3人の友人が、宮入の近くに引っ越してきた。そして孤独になった仲間4人が、グアム旅行へ行ったりして人生の後半を楽しんでいた。
しかし、その後、仲間の一人に不幸が襲い、何とか励まそうと奮闘。最後は、まるで、仲の良い猫たちが、陽だまりに集まり、じゃれ合うようにして、人生の終末を生きていった。
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