第134話 同じ道を進みたいんだと
特段、忙しかったわけではないのになぁ……。
昨日、すでに恒例となりつつある、高校来の友人の妹である、
「最近、物騒だからね。駅まで迎えに行くから待ってて」
「ひなちゃん(仮名)がひとり歩きで迎えにくるほうが怖いけど……」
とかなんとか……。
美琴ちゃんに心配されちゃったので、彼と一緒に大学の最寄駅まで、ちょっとしたデートも兼ねて迎えに行った。
あ、彼……とは、現在、リアルの世界で、わたしがおつきあいしている、
それでも、わたしの言うことを聞いてくれたのだろう。美琴ちゃんは改札口で待っていてくれた。姉の
我が家に戻り、美琴ちゃんの勉強を見る。その間、真琴ちゃんが、わたしのいれたコーヒーを飲みながらおとなしくしているのは、いつもと変わらない。
美琴ちゃんに、今週始めから行われた中間テストの感触を聞いてみた。今週の水曜日にも、それまでの状況を聞いていたから、まず心配はしていない。
そう言うと……。
「美琴は、ひなと同じ道を進みたいんだと」
「お姉ちゃんっ! 恥ずかしいからやめてくれる?」
とは、姉妹の弁である。同時に、かわいい喧嘩が勃発した。でも、わたしとしては、嬉しいやら、恥ずかしいやら……である。
二時間の勉強を終え、四人での夕飯の席でだった。今日、真琴ちゃんが訪ねてきたわけを話してくれた。
自分の妹が、自分の友だちであるわたしに懐いてることに嫉妬してるんだそうだ。そういうことを隠さずに話してくれるのが、真琴ちゃんのいいところだ。
わたしのところに来て、わたしと何処其処に行った! と聞くのも、羨ましかったと言っていた。それなら、いつでも遊びに来ればいいんだ。そう、言っておいた。もぉ、困ったお姉ちゃんだ。
これは、わたしと
捻りもオチもないけど、
その後、今年の夏休みの予定を聞かれた。去年みんなで行った真琴ちゃんの叔母さまから、今年は来ないのか? と聞かれたんだそうだ。
今年は迷惑になるんじゃない? と言うわたしに、去年のお礼も兼ねて、わたしたちを優先してくれる……のだと。
今年の夏は、海のそばの旅館は稼ぎどきじゃあないのかい?
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