第30話 集まれ、手下ども!

 前回のお話は、クリスマスのすごし方についてだった。

 パパ呼びしてる美亜みあちゃん(仮名)が、自分のことを棚に上げて……と思いながら、ことの成り行きを見守っていたわたし。

 結局、イベントは、うちでやることになった。その顛末は、需要があったら……かな?



 さて、4ヶ月も放ったらかしぱなしだったこの語録、なにを今更……と言う気がしないでもないけど。年度も変わったし、わたしたちも3年生に進級した。

 わたしとしては、この高校では、中学ではできなかった友人を作って、平穏な学生生活を送る予定でいたのに……。なにかしら、問題が勃発する。


 鴨が葱を背負って来る……ではなく、美亜ちゃんが難題を背負って来た。

 それが、新学年2日目にあった『新入生の歓迎会』だった。無事に当日を迎えられたからよかったけど、紆余曲折だらけだった。


 まずは最初から……。

 時間は少し遡る……。年が明けて1月、3学期早々。そう、世の中が感染爆発パンデミック第6波に慌てていた頃のこと。


 美亜ちゃんが、美亜ちゃんの友人を連れて教室に入ってきた。

 彼女の顔も名前も知ってるけど、わたしとは直接の繋がりはない。生徒会長とも友だちだったなんて、美亜ちゃんの顔の広さには驚くばかりだ。

 そして、ふたりがわたしの眼の前にやってきた。そこで……。


「集まれ、手下ども!」


 美亜ちゃんが、お芝居がかった召集をかける。

 わたしはキョトンとするばかりだったが、ノリのいい、いつもの面々は、ブツクサと言いながらも、なにかを期待するかのように集まってきた。


 話の内容は、「生徒会長の相談を聞いてやってくれ!」だった。

 なんでも、イベントを開催したいらしいが、生徒会では、消極的で否定的な意見しか出なかったらしい。

 そりゃそうだ。このご時世だし……。



 これは、わたしと親友みあちゃんと、そのほか、少ない友だちを巻き込んだ、掛け合い語録。


 捻りもオチもないけど、彼女みあちゃんがいなかったら、今のわたしはいなかったと思うし……。


 先生たちとの、意外な繋がり持つわたしだったら、なんとかなるかも? って?

 美亜ちゃん? 無茶を言うもんじゃないよ……。

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