2021-05-04

この短い休みで、いくつか新たにわかったことがある。


俺は意外と金に執着していること。

このままではこの先に希望がないこと。


俺の生い立ちなど語ると、それこそ身の上がバレてしまうので、

そこまで詳しくいうつもりはない。

しかし、俺のこれまでの人生には、

常に金がないことに対する悔しさがあった。


金がないから、様々なことが出来なかった。

別に親や周辺環境を恨むつもりは毛頭ないのだが、

俺にとって金のことで他人に引け目を感じるのは悔しいことだった。


だから勉強をした。

勉強すれば、いい職に付けて金が稼げると信じていた。

大人たちもそう云っていた。


だが今、そうでないことを身に染みて知った。

俺がいくら勉強をしても、いくら金を稼いでも、

周りにいる人間に吸われてしまってはどうしようもない。

俺は、今も金に困っている。

勉強したことが、俺にとって何ら金になっていない。

入ってくる分が増えたのに、出て行く分が増えすぎた。

俺は、金がないと大層苦しい。

ようやく金の入る当てが見つかった途端、

極端に出費が増える環境になってしまったことは、

最早必然だったのか。


このままだと、一生金に困って生きていくのだと思う。

それは、これまでの俺の努力を一切否定し得るものだ。

生きてきた意味が、まるっきりなかったことになってしまう。

今まで我慢してきた他のことが、

金のことがきっかけでどんどん許せなくなってゆく。

これまで我慢して保ってきた関係が、酷く虚しく思える。

俺は、意外と自己中心的になれるようだ。

俺の嫌いだったはずの人間に成らなければ、最早俺の人生は終わってしまう。


向上心、成長意欲、生存願望が、人生で一番なくなっているのが今だ。

なんでこうなってしまったのだろう。

これは、今までの俺の選択の結果だ。

だから、極端に言えば俺が悪い。

俺が悪いのだ。

だが、それを責められて利己的にならないほど、

今の俺には余裕がない。

将来に希望はない。

人間関係はやはり苦手だ。

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