第10話

「中沢ーっ」

田所が係員の名前を呼んだ。

「へっ?」

虚をつかれた係員が素っ頓狂な声を

出した。

「俺だよーっ。高校のとき同じクラス

だった田所だよ。俺おまえの㊙️ひみつ

知ってるんだけど、ここで言っちゃおう

かな」

途端に中沢が顔色を失った。

黙って舞台袖に消えて行く。


田所は目の前にあった、中沢のネーム

プレートを見ただけだった。

人は誰でもひとつは秘密を持っているもの。

つまり、当て感だったわけだ。

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