反磁性体

反磁性体って何?

 反磁性体って聞いたことありますか?

 私も光速度不変の原理を妄想し始めるまでは知りませんでした。光速度不変の原理を妄想するにはどうしても磁力の事を知っておく必要があったので調べていたら反磁性体にぶち当たったというわけです。

 まずは、反磁性体について説明いたしましょう。

 この世の中にはいろいろな物質があります。それを「磁性」という括りで考えると大きく「強磁性体」「常磁性体」そして「反磁性体」の三つに分けられるそうです。


●強磁性体

 大雑把に説明すると磁石にくっつき易いやつです。で、大体の場合強い磁力をかけてやると、磁力をかけるのをやめてもしばらくはそれ自身が磁力を持ち続けます。鉄とかニッケルとかで種類は少ないです。

●常磁性体

 くっつかないようでいて実はくっつく…磁石が頑張ればくっつくというようなやつです。つまり、磁力的にはかなり弱いやつです。アルミニウムとかナトリウムとかですね。

 空き缶の分別するのに分別する工場では磁石使ってスチールとアルミを分けています。これはスチールは磁石にくっつきやすくて、アルミはくっつきにくいという性質を利用しているわけですが、超強力な磁石使うとアルミ缶もくっついてしまうかもしれませんね。

●反磁性体

 今日の主役である反磁性体です。水とか木とか銅とか、兎に角多くの物質が反磁性体に分類されます。小学校で使うような棒磁石とかU型磁石なんかを使っても分かりませんが、超強力な磁石を使うと磁石から逃げていきます。磁石にはN極とS極がありますが、どちらを近付けても磁石から逃げていくのです。なんとも不思議な性質です。

 「チコちゃんに叱られる」という番組で超スーパー強力磁石を使って竹輪やかっぱ巻きを浮かび上がらせるという世界初の実験を行いましたが、まさに反磁性体の性質を利用した実験でした。

 流石に反磁性体という言葉は出てきませんでしたが、磁石の面白い世界を伝えるには十分な内容だと思いました。


 っと、話がずれてしまいました。物質には強磁性体や常磁性体のように磁石に引っ張られる物と、反磁性体のように磁石に反発する物があるという事です。

 では、今の科学界ではこの反磁性体の磁石に反発するメカニズムについてはどういう説明をしているのでしょうか。辞書と言えば今やWikipediaですので、少しそちらから引用いたしましょう。


「原子中の対になった電子(内殻電子を含む)が必ず弱い反磁性を生み出すため、実はあらゆる物質が反磁性を持っている。しかし、反磁性は非常に弱いため、強磁性や常磁性といったスピンによる磁性を持つ物質では隠れて目立たない。つまり、差し引いた結果の磁性として反磁性があらわれている物質のことを反磁性体と呼ぶに過ぎない。」

 以上「フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』」の「反磁性 最終更新 2020年11月29日 (日) 11:24 」からの引用です。


 何が何やらサーッパリ分かりません。「原子中の対になった電子が必ず弱い反磁性を生み出す」理由も分からないし「スピンによる磁性」っていうのも分からない。

 そもそもですが、磁石がなんでくっつくのかすら分かっていないのに、反磁性体が磁力を嫌う理由が分かる筈もないです。反磁性体がなんで磁石にくっつかないのかを知る為には、強磁性体がなんでくっつくのかが分かっていないといけないので、前にも説明しましたがまずはそちらから見ていきましょう。

 原子の周りに存在していると言われている電子はそれ自身が自転していると考えられています。とは言っても、私たちが頭に思い浮かべる、独楽のようにグルグル回るような回転ではないようですが、兎に角回転しているそうです。

 で、この回転の方向と角度が磁力の元なんだそうです。この回転には右回転と左回転があって、これでN極、S極が決まるんだそうですが、この二つがペアになることでお互いに打ち消し合う事になります。電子が運よく偶数個だけあればいいんですが偶数個だとNかSが余っちゃいます。でも上手くしたもんでそういった原子同士で集まって分子になることで磁力が消えるという事になっています。

 が、一部の…例えば鉄とかニッケルとかの原子の場合は何故か同じ方向に回転する電子同士でペアになっちゃうそうで、磁力が消えてくれない。だけど、原子の方向がバラバラだから普段は磁力が出ていないんですが、磁石が近付くと、方向が揃ってしまい、磁石にくっつくという話です。

 チコちゃんに叱られるでの説明も概ねこのような説明でした。ただ、チコちゃんでは回転しているのは電子ではなく原子でしたが、どちらでも大差ないでしょう。だって、実ははただの仮説ですから。

 これほど科学が発達しても磁石がくっつく本当の理由がはっきりとは分からないというのは、なかなかシュールな状況です。

 考えてもみてください。多分、現代社会から磁石がなくなってしまえば、全ての物がストップしてしまいます。電気を発生させられるのは磁石のおかげです。

 原子力、火力、水力、風力、地熱、波力…と再生可能エネルギーも含めていろいろな発電方式がありますが、今挙げた発電方法は全てタービンを回して発電しているので、磁石が必要です。おそらく今ある発電方式で磁力使っていないのは太陽光発電くらいではないでしょうか。現状太陽光発電だけで、世の中を回していくのは不可能です。

 おまけに家電製品、医療用機器、輸送手段。この世の中を動かしている物殆どに磁力が使われているし、これらを作るのにも磁力が必要です。それなのに磁力の事ってよく分かっていないんです。

 まあ、なぜ磁力があるのか分かっていなくても世の中は回っているし、色々と応用できるし、それでいいんじゃね?というのが科学者達の姿勢だとしたら、これはもう糾弾されて然るべきですが、安心してください。ちゃんと磁力の謎を研究している科学者達はいます。一日も早くその科学者達が磁力の謎を解明してくれることを祈ってやみません。

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